X-ファイル シーズン1 : 特集

TV版を知らなくても劇場版は楽しめるが、TV版を知っているともっとオモシロイ!

 今回の劇場版で、モルダーの部屋に貼ってある女性の写真は、8歳の時にエイリアンに誘拐された彼の妹サマンサのもの。モルダーは今でも彼女のことを気にしているのだ。

★File No.711「存在と時間 Part2」
 エイリアンによるサマンサの誘拐事件については、シリーズ全体を通じて何度も描かれていき、次々に新事実が発覚していくが、一応一段落するのがこのエピソード。誘拐されたサマンサが書いていた日記が発見され、モルダーがその日記を読む。
だが、その日記の内容が真実なのかは誰にも分からない。

 劇場版のキーマンは、超能力を持つと自称する元牧師。実は「超能力者」ネタは本家TVシリーズの得意技。名エピソードに登場した3人の名をスカリーが言う。

★File No.112「海の彼方へ」
超能力者:ルーサー・リー・ボッグズ
 自分の家族も殺した連続殺人鬼ボッグズが、死刑を目前に自分は超能力の持ち主だと主張。現在進行中の連続殺人事件の被害者が監禁されている場所を教える代わりに減刑をと取引を申し出る。だが、彼の超能力は本物なのか? ボッグスを演じるのは「ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔」の蛇の舌グリマ役も印象に残る怪優ブラッド・ダーリフ。製作総指揮のクリス・カーターも彼の名演に感動、「傑作選」に本話を収録している。

★File No.304「休息」
超能力者:クライド・ブルックマン
 人の死期を予知する能力を持つ保険外交員クライド・ブルックマンは、自分の能力を秘密にしていたが、占い師連続殺人事件が発生し、事件に巻き込まれてしまう。死期を予知する能力は、人間を幸福にするのか? 深いテーマ性とブルックマンを演じた「チョコレート」などのベテラン俳優ピーター・ボイルと、脚本のダリン・モーガンがエミー賞を受賞。このエピソードもクリス・カーターのお気に入りで「傑作選」に収録されている。

★File No.404「アンルーヘ」
超能力者:ジェリー・シュナウツ
 女性を拉致してアイスピックで自己流のロボトミー手術をする連続事件が発生。事件の現場には、恐怖に歪む被害者の顔を写したプラロイド写真が残されていた。モルダーは犯人の念写だと推測するが、スカリーはフィルムの変質だと考える。犯人シュナウツは、自分が念写能力を持っていると知らずに、その写真を残していたのだった。だが、彼が念写で写したものは、彼の想念なのか、それとも? やがてシュナウツはスカリーを狙う。

 自分が担当する子供の患者を気遣うスカリーに、モルダーが「子供を失う悲しみは僕も知っている」と発言。この言葉の背後にはスカリーの子供2人の存在がある。

★File No.506「クリスマス・キャロル」
★File No.507「エミリー」
 2話連続エピソード。スカリーは、姉メリッサの小さい頃にそっくりな少女エミリーと遭遇。彼女は養女なので、スカリーは実の母は姉だと考えるが、調査をすると遺伝子的にはスカリー自身の娘であることが判明。彼女は、スカリーが誘拐された際に摘出された卵子から生み出されたクローンらしい。スカリーはエミリーに母としての愛を注ぐが、エミリーは不治の病に冒されており、スカリーとモルダーの努力にも関わらず死んでしまう。

★File No.916「ウィリアム」
 スカリーの2度目の妊娠が発覚したとき、モルダーは自分の子供ではないかと考えたが、産まれた息子ウィリアムには不思議な能力があった。いろいろあった末、スカリーが、ウィリアムを手放す決意をするのがこのエピソード。彼女は息子を手放したくはないが、彼が政府やUFOカルトの人々とは無縁に育つためには、自分と無関係な所に送るしかない。スカリーは悲しみをこらえ、息子を遠い田舎で暮らす夫婦に養子に出す。

劇場版「X-ファイル/真実を求めて」

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