プリズナーNo.6 シーズン1 : 特集

 「LOST」「エヴァ」を彷彿とさせる英カルトシリーズ

★魅力その1:謎また謎の不条理サスペンス展開は「LOST」系!

プリズナーNo.6

 なにしろ主人公の正体も不明。観客が主人公について知っていることは、何かの組織に辞表を提出したこと、何者かによって拉致されて「村」と呼ばれる集落に連れてこられたことのみ。村の住民はすべて番号で呼ばれ、主人公はNo.6、姿を見せない首謀者はNo.1、その直属の部下で村を仕切る人物はNo.2と呼ばれるが、No.2は次々と別の人間に変わっていく。

 No.2はNo.6に「情報をよこせ」と迫るのだが、それはいったい何の情報なのか? この「村」に集められているのは誰なのか? No.1とは誰なのか? No.6は毎回、なんとか村を脱出しようとするのだが、いつも寸前で「オレンジ警報」が発令され、白い風船のような球体がNo.6の前に出現する。すべてが謎に包まれた展開は「LOST」のシーズン1を彷彿とさせる!

★魅力その2:深読みと推測が楽しいのは「エヴァンゲリオン」系!

 あまりにも謎の多いドラマなので、ファンがさまざまな仮説を作って楽しむのは「エヴァンゲリオン」と同じ。「村」は管理社会の象徴なのか? 白い風船のような球体は母性の象徴なのか? 村の住民が胸につけているバッジや、村で販売されている製品には、大小の車輪を持つ自転車のマークが描かれているが、このマークにはどんな意味があるのか? 今でもファンたちはネットでこれらの謎について熱く討論し続けている。

★魅力その3:今も熱狂的ファンがいっぱい!

プリズナーNo.6

 英国の国民放送BBCのオフィシャルサイトでもこの番組のページは健在(こちら)。ファンサイトも多く、ファンクラブSix of One: The Prisoner Appreciation Societyの主催で毎年コンベンションも開催されている。

 また、数年前から映画としてリメイクされるという噂があり、メル・ギブソンが主演するとか、「トゥームレイダー」のサイモン・ウエストが脚本を書くなどの噂が続々。06年には「バットマン ビギンズ」のクリス・ノーランが監督するという噂も流れた。日本のクリエイターにもファンが多く、「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」の押井守や、平成「ガメラ」シリーズの金子修介も大ファン。

★魅力その4:ポップ・ミュージシャンも大好き!

 英国のミュージシャンのクリップによく登場するのが本作。とても数え切れないが、代表的な例をチェックしてみよう。

 まず、クリエーション・レーベルの副総裁かつテレビジョン・パーソナリティーズのメンバーのエド・ボール率いるザ・タイムズの83年の「パトリック・マッグーハンの逃亡」(I Helped Patrick McGoohan Escape)はクリップも本作そっくり。UKパンクバンド、クラッシュの78年のシングル「White Man In Hammersmith Palais」のB面は「Prisoner」という曲。英国の重鎮バンド、XTCの86年のアルバム「スカイラーキング」収録の「The Man Who Sailed Around His Soul」と「The Meeting Place」は本作のロケ地だったホテルで撮影され、本作の衣装や小道具が使われている。またUKの人気バンド、スーパーグラスの95年の「オールライト」のクリップも同様。また、サイケデリック・トランスのHujaboyの07年のアルバム「Black Belt」には「In The Village」という曲があり、本作の冒頭の台詞“I am not a number, I am a free man!”、“We want...information.” などがサンプリングされている。

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