LOST(ロスト) シーズン6 : インタビュー

■テリー・オクィン(ロック)「最高の結末が待っていることは分かっている」

※多少ネタバレあり
――「LOST」に出演を決めたとき、ジョン・ロックがキャリアを代表する役柄になると予想していましたか?

「全然。もっとも、どんな仕事を引き受けるときも、過度な期待は抱かないようにしているんだ。この業界である程度仕事をすれば、うれしいことよりも失望させられることのほうが多いってことを学ぶものだ。だから、最悪の事態に備えつつも、希望を失わない、っていうのがぼくのアプローチだ」

――パイロット版ではほとんど台詞がありませんでしたが、それでも出演を引き受けた理由はなんですか?

「J・J(・エイブラムス)が、『あとで大きく化けるから』と約束してくれたんだ。ハリウッドではよく聞く台詞で、その言葉自体にはそれほど説得力はない。でも、J・Jっていうのは、出来ないことを軽々しく口にするような男じゃない。だから、とにかく彼を信じることにしたんだ。で、放送がスタートして、『LOST』への注目度が高くなるにつれて、ジョン・ロックのキャラクター造詣も深みを増していった。シーズン1の途中で、ようやく自覚したよ。『おれは、とてつもなく素晴らしい役を与えられたんだ』ってね」

――シーズン5の最終話でジョン・ロックの死体が出てきますが、やはり彼は死んでしまったのでしょうか?

「ぼく自身、なかなか認めることができなかったけれど、シーズン6の撮影をしているうちにジョン・ロックの死を受け入れられるようになった。ジョン・ロックという男は、つくづく不幸な人間だと思う。彼が心から求めていたのは、たいしたものじゃない。ただ、人から尊敬されて、愛されたいと願っていただけだ。でも、その夢が叶わぬまま、帰らぬ人となってしまった。いまぼくが演じているのは、ジョン・ロックじゃない。新ジョン・ロックはぼくとそっくりの外見をして、ぼくとそっくりの話し方をするけど、まったく違う意図をもって行動しているんだ」

――過去5シーズンでお気に入りのエピソードはどれですか?

「エピソードだと難しいな。ただ、シーズン1を見直すと、いつでもセンチメンタルな気分になる。勇敢にジャングルに分け入り、英知に満ちた言葉を吐いていた頃のジョンはとても懐かしい。その後、彼は大きく変わってしまうからね。それはストーリー上必要なことだ理解しているけれどね。当時、(製作総指揮の)カールトン(・キューズ)とデイモン(・リンデロフ)にも言われたよ。『ジョン・ロックは、いつまでも賢者のままではいられない』ってね」

――じゃあ、シーズン2でハッチに閉じこもり、謎の数字を打ち込むだけのジョン・ロックはお嫌いですね。

「ハッチは大嫌いだったよ。デイモンやカールトンにもさんざん文句を言ったよ。『これは退屈だ。なんとかしてくれよ』って(笑)」

――(笑)。

「でも、二人には『それはいいことだ。ジョン・ロック自身、退屈しきっている設定だから』と説得されて。個人的に好きなエピソードは、シーズン5でベンジャミン・ライナスに殺される場面だね。ホテルの部屋のなかで、マイケル(・エマーソン)と二人きりで、まるで舞台をやっているような気分だった。ああいう、演技力だけで勝負しなきゃいけない場面は、いつでも燃えるよ」

――「LOST」もいよいよ番組終了が近づいていますが、いまどういう気分ですか?

「終わりが近づくにつれて、切ない気持ちになる。素晴らしい本に出会ったときと同じような気分だ。最高の結末が待っていることは分かっているけれど、最後の章は読まずにとっておきたいような。ただ、心の準備は出来ているつもりだ。『LOST』と同じだけの情熱を捧げられる企画を見つけるのは、相当難しいとは思うけれどね」

(小西未来)

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