アイ・ラブ・ルーシー シーズン1 : 特集

1:観客の笑い声を収録した元祖シットコム!

 シットコム(シチュエーション・コメディ)とは、毎回同じ環境を舞台にした連続コメディ番組のこと。この番組以前からあるジャンルだが、このジャンルの大ヒット作となったのが本作。しかも世界で初めて「公開録画」で、「複数のカメラで撮影」し「観客の笑い声が入る」という形式を生み出した。この形式が大ウケし、この番組以来、今でもシットコムといえば「30分番組」「笑い声入り」という形式が王道となっている。「奥さまは魔女」から「フレンズ」までが守っているこの形式の元祖は「アイ・ラブ・ルーシー」なのだ。

 ちなみにルーシー夫妻役の2人はこの番組のためにいっしょに製作会社デジル・プロダクションを設立。番組で培ったノウハウを元に、「アンタッチャブル」(59~63)、「スパイ大作戦」(66~73)、「スター・トレック/宇宙大作戦」(66~69)を生み出した。その意味でもこの番組は、元祖アメリカンTVと言えるのだ。

2:“美人なのに体当たり”系、コメディエンヌの元祖!

 ルーシーを演じるルシル・ボールは、ハリウッドで活躍していた美人女優だが、本作での彼女のコメディ演技はかなりベタ。セリフではなく、見た目で笑いを取るギャグなのだ。目鼻立ちのくっきりした彼女が、一般人にはマネできないとんでもない表情をすると、そのインパクトは絶大。体を使った体当たりギャグも数多い。この、こんな美人がこんなことまで……という芸風は、オセロや青木さやかなど日本でも人気の美女系コメディエンヌの元祖とも言えそう。

 なお、人気エピソード「オペレッタ」をモチーフにしたルーシー人形(No.9)も日本発売されており、こちらは完売の人気商品となっている。08年11月には新しいルーシー人形も発売予定とか。

3:実生活そのままの元祖リアリティ番組V?

 パリス・ヒルトンとニコール・リッチーの「シンプルライフ」や、ジェシカ・シンプソンの「ニューリーウェッズ 新婚アイドル:ニックとジェシカ」など、実生活をそのまま放送してしまうリアリティ番組というジャンルの元祖は本作と言えるかもしれない。

 というのも、ルーシー役のルシル・ボールと夫リッキー役のデジ・アーナズは実生活の夫婦。ドラマでの2人の出身地や職歴の設定も本人と同じで、ルーシーの出産はドラマにも登場した。セレブの私生活がそのままTVに……というリアリティ番組系のまるごとオープンな夫婦関係が楽しめる。

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