FRINGE フリンジ シーズン1 : 特集

「LOST」のJ・J・エイブラムスが放つ新作TVシリーズ「FRINGE/フリンジ」は、あの人気シリーズ「X-FILE」の進化形ともいえるドラマ。そのポイントはココだ。

1:モチーフは、現在の科学では認められていない現象

 タイトルの「FRINGE」とは「周辺」「非主流」のこと。このドラマは、フリンジ・サイエンス=非主流科学=現在の科学では立証されていない疑似科学である、超能力、幽体離脱などの現象が引き起こすドラマが描かれていく。つまり、これは「X-FILE」では「PARANORMAL/パラノーマル」と表現されていた、超常現象と同じ。どちらも、日常生活ではあまりみかけない、奇妙な現象を捜査していく。

2:捜査の中心人物は、正反対の意見を持つ男女ペア

 ただし、男女の立場は「X-FILE」の逆。「FRINGE/フリンジ」の女性FBI捜査官オリビアは、非主流科学を積極的に認め、自分がその実験台になることもある。が、彼女の捜査に協力するIQ190の元詐欺師ピーターは、非主流科学を否定する現実主義者。この2人の考え方の違いが、ドラマをおもしろくするのも「X-FILE」と共通だ。

3:1話完結だが、全体を通して巨大な陰謀が明かされていく

 人気シリーズの必須条件であるシリーズを通してのドラマが展開するのは両作品共通。「X-FILE」では、男性捜査官の妹がエイリアンに誘拐された事件を発端に、政府の長年に渡る巨大な陰謀が暴かれていく。そして、「FRINGE/フリンジ」では、女性捜査官の恋人の死を発端に、巨大企業による衝撃的な極秘プロジェクトが暴かれていく。

1:マッド・サイエンティストが登場

 マッド・サイエンティストのウォルター・ビショップの存在は、「X-FILE」にはなかった新機軸だ。彼は“アインシュタインの後継者”と言われた天才で、非主流科学を研究していた人物。だが、ある事件によって長期に渡って精神病院に収容されていたため、知識や発想は天才だが、普通の社会生活を送るのは困難な精神状態にある。その息子でIQ190の元詐欺師ピーターとの親子のドラマも展開していく。

 ウォルター役を演じているのは「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」でゴンドール王国の執政デネソールを演じたジョン・ノーブル。デネソールは、息子ファラミアが死んだと思って錯乱し、彼を生きたまま燃やそうとした人物だ。

2:非主流科学に対する立場が進化

 「X-FILE」では、超常現象が存在するのか否かは常に検討され、その検討過程がドラマになっていた。しかし、「FRINGE/フリンジ」は、超能力などの非主流科学が実際に存在する、ということを前提にドラマが展開。それらの非主流科学が奇妙な事件を引き起こし、主人公たちがそれを捜査していく。

3:プロデューサーはJ・J・エイブラムス

 「X-FILE」は製作総指揮のクリス・カーターの初めての、かつ今までのところ唯一のヒット作。しかし、「FRINGE/フリンジ」の製作総指揮は、TVシリーズ「エイリアス」「LOST」を製作、映画「M:i:III」「スター・トレック」を監督して大ヒットさせたJ・J・エイブラムスだ。本作は稀代のクリエイター、エイブラムスが新たに仕掛けるTVシリーズであり、彼が今、何に興味を持っているのか、その観点からも楽しめる。

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