米アマゾン、名作ファンタジー「時の車輪」シリーズをドラマ化
2018年10月16日

写真:AP/アフロ
米アマゾンがファンタジー巨編「時の車輪(The Wheel of Time)」のテレビドラマ化にゴーサインを出したと、米Deadlineが報じている。
ロバート・ジョーダン著の原作「時の車輪」は、闇王と竜王が争う異世界を舞台にした全14巻からなる長大なファンタジー小説。ピーター・ジャクソン監督のメガホンで「ロード・オブ・ザ・リング」3部作として映画化された英作家J・R・R・トールキンの原作「指輪物語」の物語世界を踏襲しながらも、キリスト教のみならずヒンズー教、仏教の概念を取り入れ、魔法は女性のみが持つ能力とするなど独創的な試みが高く評価されている。
1990年に刊行された第1部「竜王伝説(The Eye of the World)」にはじまり、第12部からは他界したジョーダンに変わり、ブランドン・サンダースンが執筆を引き継いだ。丹念に考えられた魔法の体系と魅力的な登場人物の多さで知られる同シリーズは、世界で累計9000万部を超えるベストセラーとなっている。
アマゾンは、プライム会員特典となるPrime Video向けのテレビドラマとして、「The Wheel of Time(原題)」の製作を発注。企画・制作総指揮を務めるのは、「エージェント・オブ・シールド」や「ヘムロック・グローヴ」の脚本を手がけたレイフ・ジャドキンスで、ソニー・ピクチャーズ・テレビジョンとアマゾン・スタジオが制作を担う。
今回の発表に伴い、ジャドキンスは「ぼくを含む多くの人たちにとって、この原作シリーズは、現実を忘れ、没頭し、貪り尽くし、完全に暮らすことができる世界を提供してくれました。今回、昔からのファンには再び没頭でき、新たなファンには発見できる喜びを提供できる世界を初めて映像化できる機会を与えられて、とても光栄です」と声明を発表。アマゾンのプライム会員向けのオリジナルドラマと言えば、「トランスペアレント」「モーツァルト・イン・ジャングル」など作家性の強い小規模なドラマが多かったが、最近はテレビシリーズ版「ロード・オブ・ザ・リング」などの大作に軌道修正している。