プリズン・ブレイク シーズン2 : インタビュー

ウェントワース・ミラー、ウィリアム・フィクナー、ドミニク・パーセル、ロバート・ネッパーへ直撃インタビュー。

クセのある役を演じさせたら天下一品!第2シーズンのキーパーソン

■ウィリアム・フィクナー(アレクサンダー・マホーン)

 刑務所から脱獄したマイケルたちを追跡するFBI捜査官として第2シーズンから登場するのは、ウィリアム・フィクナー。風変わりな容貌で、脇役ながらも多くの映画で強い印象を残してきた個性派役者だ。

 「最初の2話分の脚本を読んで、マホーンという男に強烈にひきつけられたんだ。彼が万年筆に隠した薬を飲み、裏庭に設置した水盤で水浴びする鳥を眺めるシーンがあったんだけど、『マホーンに何が起こっているんだ?』と思わずにはいられなかったんだ。薬は抑うつ薬だし、彼は何か精神的な危機に直面している。そうい複雑な面がキャラクターを興味深くするんだ。第2シーズンは逃亡ドラマになるけど、善人が悪人を追うのでも、その逆でもない」

 マホーン捜査官はFBIきってのマン・ハンターだが、どうやら正義の使徒というわけではなさそうということが物語が進むにつれ明らかになっていく。

 「彼は他人に知られたくない過去を持ち、それを元妻に接近したマイケルに知られてしまう。謎の組織“ザ・カンパニー”の男キムもその秘密を使ってマホーンに接触し、マイケルとリンカーンを殺害させようとする。しかし、だからといってマホーンが悪人というわけではないんだ。彼が願っているのは普通の生活に戻りたいだけじゃないかという気はしている。悩みを忘れ、家族との平穏な日々を取り返したいとね」

 脱獄犯たちの追跡、キムとの陰謀めいた関係、自身の過去との戦いに加え、FBIの内務捜査の対象ともなるマホーン。想像を超えたプレッシャーに押しつぶされっかる男を演じるのは、精神的には疲れるものだろうか?

 「疲れるどころか、ものすごく楽しいよ。マホーンが障害にぶち当たって、葛藤すればするほどキャラクターに深みが増し、さらなる演じがいも出てくる。考えていることと行動が一致しない人間を演じるのが僕は大好きなんだけど、マホーンはまさにそういう男じゃないか」

 インタビューしたのは、第14話を撮影中のテキサス州ダラス。家族をロサンゼルスに残したままの単身赴任だが、良き家庭人であるフィクナーは毎週末には飛行機で自宅に戻る生活を1年近く続けている。

 「飛行機のマイレージがずいぶんたまったよ(笑)。ニューヨークからロサンゼルスに越したばかりのときに番組出演を決めたから、妻には寂しい思いをさせていると思う。でも番組のヒットのおかげで彼女が今まで以上にショッピングをエンジョイしてるのも間違いないね。実は第13話でマホーンが撃たれるシーンがあるんだけど、脚本を読んだ瞬間、妻に電話をしたよ。『今すぐショッピング・モールから出るんだ、俺は撃たれるんだぞ』って」

 ユーモアを上手にミックスさせるチャーミングな話術にベテランらしさが漂うフィクナー。クセのある役を演じさせたら天下一品と評価が高い彼の参入で第2シーズンがますます予断を許さない展開になることは確実なのだ。

(山縣みどり)

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