LOST シーズン6 : インタビュー

■ヘンリー・イアン・キュージック(デズモンド)「デズモンドとペニーのラブストーリーはもっとも魅力的なサブストーリー」

※多少ネタバレあり
――シーズン2の最初のエピソードにデズモンドが登場したときは、まさかこれほど大きなキャラクターに成長するとは想像できませんでした。デズモンドを演じるにあたり、製作陣からどのような説明があったんですか?

「何にも教えてくれないんだ。だから、自分で想像するしかなくて、奇跡や信仰という言葉をデズモンドがやたらと口走るので、もしかして天使なのかもしれないな、と思ったり(笑)」

――(笑)。

「最初の登場場面で、ジャック・シェパードに対して、『ぼくもかつてはほとんど医者だった』っていう台詞があったんで、ああ、医者なのか、と判断して。でもその後、軍隊にいたことや、修道院にいたことが次々明らかになって、脚本を受け取るたびに、『彼はいったい何者なんだ?』と混乱させられる。

 役者としてぼくにできるのは、脚本を100%信頼して、書かれている通りに演じることしかない」

――デズモンドといえば、別れ際に必ず「来世で会おう」といいますが、その理由はご存じですか?

「実は単なる口癖だと思っていたんだけど、別の意味を含んでいることが最近分かったんだ。ただ、それはシーズン6に関わることなんで、詳しくは話せないんだけど」

――じゃあ、過去のエピソードについて聞かせてください。ハッチの爆発がきっかけで、デズモンドは特殊能力を身につけますよね。そのせいで、彼のエピソードはいつも複雑ですが、すんなり理解できましたか?

「まずは、脚本を読んでだいたいの流れをつかんで、それから読み込んでいく、という感じだね。とくに、精神だけが時空移動するっていう展開は初めて聞いたので、理解するのにものすごく時間がかかった。自分がはっきり理解できなければ、視聴者がそれを理解することができるわけないからね」

――デズモンドが主役のシーズン4第5話「定数」は、「LOST」史上最高のエピソードだと思っているんです。知的なパズルとエモーショナルなラブストーリーが最高な形でミックスしていて。

「ありがとう。デズモンドとペニーのラブストーリーは、『LOST』のなかでもっとも魅力的なサブストーリーだとぼくも思う。だから、二人の物語が唐突に終わってしまったのはちょっと残念に思う。ペニーはあっけなくデズモンドと再会を果たしてしまったと思うし。ただ、『LOST』の壮大なストーリーを終わらせるためには、彼らの物語にピリオドをつける必要があったのかもしれないね」

――シーズン5でデズモンドはどうして島に戻らなかったのでしょうか? おかげで登場機会がすっかり減ってしまいましたが。

「それこそ、ぼくが脚本家チームに問いただしたいところだよ(笑)」

――そうですよねえ(笑)。

「シーズン5において、デズモンドは特別な存在で、タイムトラベルのルールが通用しない、とダニエル・ファラデイは説明していた。でも、その根拠はきちんと説明されていない。だから、シーズン6には期待しているんだ」

――番組が終了することについて、どう思っていますか?

「うれしさと悲しさの両方だね。ハワイでの生活は大好きだし、これほど素晴らしい仕事は他に存在しない。でも、終了が決定しているし、いまでは新しいことに挑戦してみたい気持ちもある。実は、このシーズンではあまり出番がないんだ。シーズン5に続いて、出番がものすごく少ない。だから、他の出演者と違って、心の準備をする時間がたっぷりあるんだ」

(小西未来)

次のページへ
「LOST」の作品トップへ