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第2回 「プリズン・ブレイク」脚本&エグゼクティブ・プロデューサー プロデューサー列伝 - 海外ドラマ 映画.com

第2回 「プリズン・ブレイク」脚本&エグゼクティブ・プロデューサー
ポール・シェアリング Paul Scheuring

ポール・シェアリング

■原点には意外にも女性プロデューサーがいた

 脱走をテーマにした海外ドラマには、コメディの「0012捕虜収容所」(65~)、デイビッド・マッカラムが主演した「コルディッツ大脱走」(72~)、2009年にリメイクの噂があるカルトSF「プリズナーNo.6」(67~)があったが、“アフター「24」”の今、大胆にもノンストップ・サスペンスに仕上げたヒット作が「プリズン・ブレイク」。企画・製作総指揮をつとめるクリエイターが、1968年生まれのポール・シェアリングだ。

 海外ドラマのプロデューサーの来日は極めてめずらしいが、06年10月中旬、来日したシェアリングにインタビューすることができた。世界中で大ヒットしているドラマの生みの親らしく堂々とした態度だが、それが嫌みにならず、どんな質問にもクールに対応するシェアリング。こちらも大いに勉強となった。まず物語の着想は「女性プロデューサーのフランセット・ケリーから、無実の人間を脱走させるため、みずから刑務所に入る主人公というアイディアを貰った。彼女が子育てで休業に入ってからは、僕が単独でアイディアを膨らませていったんだ」と明かしてくれた。

■ユニークな裏話が次々飛び出すのはさすが!

 主人公マイケル役にぴったりな俳優はなかなか見つからなかったが、ウェントワース・ミラーと会ってすぐに彼に決めたこと、ロケ地となる刑務所を探すのも大変だったが、シェアリングの出身地であるイリノイ州のシカゴに、ジョリエット刑務所(映画「ブルース・ブラザース」でも使われた)を見つけてすぐに気に入ったこと、受刑者役のエキストラには、本当にジョリエット刑務所にいた元受刑者もいるなど、裏話がどれも面白いのはさすが! 筆者はドラマの俳優に何人もインタビューしてきたが、やはり番組創造のプロセスを把握しているプロデューサーのほうが何でも知っている。今後も、1人でも多くのプロデューサーが来日することを期待したい。

■TVは人気さえあれば作り手に自由がある

 さて、シェアリングの話で一番面白かったのは、番組を全米放送しているFOXネットワークとの関係だ。「受刑者のドラマというのは確かに過激だったけど、FOXは最初に“無実の人間を救うドラマならいい”とOKを出したっきり、何も言ってこなくなった。映画(注・シェアリングはビン・ディーゼル主演の映画「ブルドッグ」などの脚本も手がけた)の世界は撮影が始まってからもスタジオ(映画会社)が色々と口を出してくるけど、TVは人気さえあれば後はプロデューサーに自由がある」と、海外ドラマ・ファンには頼もしいハリウッド事情を語ってくれた。また、「プリズン・ブレイク」はシーズン2で一度ストーリーを終わらせて、シーズン3をやるとしたらまったく新しい物語で一からやり直したいとも教えてくれた。米ドラマの中には、悪い意味で何年もだらだら続く作品が少なくない中、この前向きさは貴重だ。

 今後は08年完成予定の映画「Mexicali(原題)」の脚本を手がける予定だと報じられたシェアリング。今後も楽しみな才能である。

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