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第3回 「LOST」エグゼクティブ・プロデューサー プロデューサー列伝 - 海外ドラマ 映画.com

第3回 「LOST」エグゼクティブ・プロデューサー
J・J・エイブラムス J.J. Abrams

J・J・エイブラムス

■映画監督になることが、子供のころからの夢だった

(c)Buena Vista Home Entertainment, Inc. and Touchstone Television.

 敏腕TVプロデューサーとして知られるJ・J・エイブラムス(本名はジェフリー・ジェイコブ・エイブラムス)だが、子供のころからの夢は、映画監督になることだったと言う。「8歳のときに、映画監督になりたいと思ったんだ。まさかその夢が実現するとは思ってなかったけれどね」。10代は映画作りに明け暮れたというエイブラムスは、大学在学中に友人と執筆した「ファイロファックス/トラブル手帳で大逆転」が映画化され、“映画脚本家”としてのキャリアをスタートする。しかし、“映画監督”になるまでの道のりは決して短くなかった。

 エイブラムスは、脚本家としてハリソン・フォード主演「心の旅」や、メル・ギブソン主演「フォーエヴァー・ヤング/時を超えた告白」、ジェリー・ブラッカイマー製作「アルマゲドン」といった大作を手がけるようになる。売れっ子としてさまざまな大作映画のリライトも手がけ、あいにく映画化はされなかったものの、彼が執筆した「スーパーマン・リターンズ」のシナリオは、ブライアン・シンガー監督版よりもずっと優れていたとの噂である。

■映画企画への不満をTV業界で発散!

 「フェリシティの青春」で、J・J・エイブラムスはTV界に進出する。TV脚本家として大量のエピソードを執筆するとともに、クリエイター、エグゼクティブ・プロデューサーなどの肩書きを入手。さらに、TV監督としてエピソードの演出を手がけるようになった。このあたりから、エイブラムスは映画の監督をオファーされるようになる。「監督をするチャンスがいくつかあったんだけど、あいにく興味が持てる企画がなかったんだ」

 自分に合った映画企画にめぐり会えない不満を、エイブラムスはTV界で発散していく。スパイ映画と家族ドラマとをミックスさせたTVシリーズ「エイリアス」は大ヒットし、無人島漂流記にSFミステリーを加えた「LOST」は社会現象にまでなった。映画監督を目指していたエイブラムスは、いつの間にか米TV業界のトップに立っていたのである。

■「M:I:III」で念願の映画監督デビュー!2大スタジオと契約も!

 エイブラムスの才能は、卓越したストーリーテリング術にある。「番組を作る際も、映画をやる際も、常にキャラクターの感情起伏を中心に捉えようとしているんだ。僕がもっとも面白いと感じるのは、リアルで感情移入できるキャラクターが、ものすごく不可思議で特異な状況に陥るっていうパターンだね。『ジョーズ』と『ジョーズ3』が大きく違っているのは、まさにその点だよ。鮫がうようよいる海に、漁船が出て行くというストーリーは簡単にできる。でも、漁船に乗っている人に観客が共感できなければ、映画は機能しないんだ。爆発やカーチェイスを加えたところでたいした違いはない。共感できるキャラクターがいてこそ、観客は身を乗り出してくれるんだ。成功しているかどうかはともかく、僕は常にそれを目指しているよ」

 念願の映画監督デビュー作となった「M:I:III」を見れば、エイブラムスの手腕は一目瞭然だ。イーサン・ハントを人間味溢れるキャラクターとして描くことにより、シリーズ中もっとも完成度の高いストーリーに仕上げている。映像に独自のスタイルがないのが寂しいところだが、長編映画第1作目だから仕方のないことだろう。

 06年にJ・J・エイブラムスはパラマウント映画とワーナー・ブラザースという2つのスタジオと大型契約を結んだ。今後、ますます目が離せなくなりそうだ。

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