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【マーベルも太鼓判】Netflix快進撃の秘訣は、徹底したクリエイター至上主義

【マーベルも太鼓判】Netflix快進撃の秘訣は、徹底したクリエイター至上主義
9月2日サービス開始時の注目作、 MARVELの「デアデビル」

 Netflixの本社は、シリコンバレーのロスガトスにあるが、ロサンゼルスのビバリーヒルズにもオフィスがあって、そこにはおもに映像コンテンツを開発・調達するチームが集まっている。業務の性質上、ハリウッドに近い方が好都合なのだ。

 ビバリーヒルズのオフィスは、クールでクリエイティブな雰囲気に満ちている。執務スペースの傍らには、アンティークなソファーやランプシェード、モダンアートがあちこちに見られ、そこで働くスタッフたちのこだわりが感じられるスペースだ。

 今回、Netflixを取材していてもっとも印象的だったのは、その快進撃の裏側に、徹底したクリエイター至上主義があるということ。彼らにとって、コンテンツ(=番組)を作るクリエイターこそが一番重要であり、クリエイターの自由のためには協力を惜しまないという風土がある。Netflixで初めてのドラマシリーズとなった「ハウス・オブ・カード 野望の階段」を作ったデビッド・フィンチャーにしても、最近「センス8」というユニークなシリーズを作ったウォシャウスキー姉弟にしても、このNetflixのクリエイター至上主義によって、のびのびとその実力を発揮することができたことは想像に難くない。

 この春から、Netflixでは「デアデビル」というシリーズがスタートしているが、このシリーズの制作を担当したマーベルのテレビ部門責任者ジェフ・ローブは、我々の取材に対してこう語っている。

 「マーベルのユニバースには、アベンジャーズやスパイダーマンのような、地球を背負って立つヒーローだけじゃなく、ストリートレベルのヒーローもいるんだ。特別な力も持ってない、人間として傷ついたりする等身大のヒーローがね。こうしたヒーローを描こうとしたとき、これまでとは違う場所が必要になった。既存のテレビ局とも、映画スタジオとも違う場所がね。それがNetflixだったというわけなんだ。

 例えば『デアデビル』は、まず何より犯罪ドラマであり、その次にヒーローものであるという考え方で作られた。さらにNetflixで配信することになって、民放に比べてバイオレンス描写を増やすことも可能になった。『デアデビル』は、16歳以上を対象とした番組を目指しているんだ。だからと言って、子どもたちが見ないというわけじゃない(笑)。何しろマーベルの作品なんだから。

 つまり私たちは、この番組を作るにあたり、今言ったことすべてを理解してくれるパートナーが必要だった。Netflixの興味深かったことのひとつは、彼らがクリエイターに優しい会社であるということ。彼らは、私たちが語りたいと思う方法で、私たちの物語を語らせてくれる。決して、視聴率至上主義の会社ではないんだ。

 例えば、4大ネットワークのABCで番組を作る時は、必ず『女性がたくさん登場すること』『ロマンスがたくさんあること』を要請される。それが視聴者にとって大事だからね。だけどNetflixは、キャラクターにとって最高の方法で物語を語らせてくれるんだ。だから『デアデビル』が放送された時は、みんなものすごく驚いてくれたよ。マーべルはこれまで、こういう番組を作ったことがなかったからね。それができるのはNetflixだけなんだよ」

 Netflixはマーベルと共に「デアデビル」以外にも、「ジェシカ・ジョーンズ」「アイアン・フィスト(原題)」「ルーク・ケイジ(原題)」というシリーズを4作作り、その上、それらがすべて集結する「ディフェンダーズ(原題)」という番組も制作することが決まっている。これはストリート版の「アベンジャーズ」みたいなものだ。

 このNetflixのクリエイター至上主義は、たちまちハリウッドで評判となった。Netflixのピーター・フリードランナー(バイスプレジデント・オブ・オリジナルシリーズ)は次のように語る。

 「ある日、ウォシャウスキー姉弟が新しいシリーズの企画を持ってNetflixにやってきたんだ。彼らはすでに3つのエピソードを書いていた。それは『12時間の映画』と呼ぶに相応しい作品で、8カ国9都市で撮影するというプランだった。我々はその企画を見た後、もっと時間の枠を自由に使ったり、各エピソードの長さをフレキシブルに考えたりとか、Netflixだからできることを色々と提案してあげたんだ。彼らはとても興奮していたよ。キャラクターが8人出てくるんだけど、頭からじっくりと掘り下げることができるからね」

 今やNetflix側から何かをオファーしなくても、クリエイターたちがいろいろNetflixに合った企画を持ってくるのだそうだ。そして彼らは、クリエイターに対してとても寛容である。

 「ウォシャウスキーの『センス8』だって、もともと10時間で作りたいと言われてGOを出したんだが、実際に撮影してみたら、彼らはあと2話追加して12時間欲しいと言ってきたんだ。『ああ、構わないよ』って言ってあげたよ。そんな感じでフレキシブルに対応しているのさ」

 Netflixのエグゼクティブたちは、皆余裕しゃくしゃくの態度でインタビューに答えてくれる。何というか、全能感にあふれているのだ。彼らには「失敗」という感覚がないのかもしれない。「クリエイターを信じて彼らの自由にやらせれば、失敗なんか起きるはずがない」とでも言いたげな表情なのである。

 Netflixは、9月2日からサービス開始である。(取材・文:編集部 駒井尚文)

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