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カテゴリ:テレ中のつぶやき

第15回 ハワイの魅力を凝縮した人気刑事ドラマ「HAWAII FIVE-0」

第15回 ハワイの魅力を凝縮した人気刑事ドラマ「HAWAII FIVE-0」

ファンと取材陣に囲まれるアレックス・オローリン
ファンと取材陣に囲まれるアレックス・オローリン

 先日、ロサンゼルスからハワイに向かう飛行機のなかで、キャビンアテンダントさんと雑談を交わす機会があった。オアフ島で「HAWAII FIVE-0」の取材があること話すと、彼はたちまち興奮して、他のクルーを呼び集めた。その便のクルーは全員ホノルル在住で、「HAWAII FIVE-0」をとても誇りに思っているという。実際最初に話し掛けてきた人は、シーズン2のあるエピソードでエキストラを演じているというし、彼の従弟はグレイス・パークのスタンドイン(撮影前、照明や構図の確認のために俳優の代理をつとめる人)を担当しているという。そんなこともあって、ヒルトン・ハワイアン・ビレッジでキャストや製作陣をインタビューしたあとに、セット見学をして、最後にプレミアに参加するという取材スケジュールを僕が説明すると、とても興味深そうに耳を傾けてくれた。

 「HAWAII FIVE-0」はハワイを舞台にした刑事ドラマだ。“FIVE-0”とは架空の特殊警察部隊の名称で、ハワイが50番目にアメリカに併合された州であることに由来する。かつて「ハワイ5−0」として放送された往年のドラマのリメイクで、人気脚本家コンビのアレックス・カーツマンとロベルト・オーチが製作総指揮を務めている。お馴染みのキャラクターが友情を育んでいくプロセスを盛り込んでいる点は、彼らが脚本を執筆したリブート版「スター・トレック」と同じアプローチ。また、一話完結の犯罪捜査モノでありながら、シリーズを通じたミステリーの要素もあり、その按排(あんばい)は彼らが製作総指揮を務める「フリンジ」と似ている。

 僕にとって、このドラマの最大の魅力はハワイそのものだ。ハワイで撮影されたドラマと言えば、もちろん「LOST」が有名だけど、あちらはオアフ島で撮影しながら、オアフ島以外を舞台にしていた。でも、「HAWAII FIVE-0」はそのままオアフ島が舞台だから、観光名所がつぎつぎと出てくるし、観光局から軍隊までが全面協力しているので、普段は立ち入ることができない場所も見ることができる。ハワイファンのぼくは観光ガイド代わりにも利用していて、「HAWAII FIVE-0」に登場するロケ地を書き出す「HAWAII MANIA」という連載までしているほどだ。

「LOST」をきっかけにハワイに移住したダニエル・ディ・キム
「LOST」をきっかけにハワイに移住したダニエル・ディ・キム

 でも、そんな杞憂は「HAWAII FIVE-0」のプレミアでふっとんだ。週末、ワイキキ・ビーチでは「サンセット・オン・ザ・ビーチ」という名の星空上映会が行われた。砂浜に設置された巨大スクリーンで映画を無料上映するという素敵なイベントで、今回は「HAWAII FIVE-0」シーズン2の第1話が上映された。全米放送前のエピソードが無料で鑑賞できて、しかもキャストやスタッフが参加するとあって、プレミアには1万人を超えるファンが結集。その熱狂ぶりを見れば、ハワイの人々が「HAWAII FIVE-0」を手放しで歓迎していることは明らかだった。この番組はハワイの魅力を世界にアピールするばかりか、雇用も生み出している。彼らにとってみれば、全米人気ドラマを支える一員としての誇りもあるかもしれない。

 ますますハワイが好きになってしまった。

小西未来 ( こにし・みらい )
71年生まれ。LA在住のフィルムメーカー。 CUTにて「映画の『科学と学習』」「ハリウッド通信」連載中。公式サイトはこちら)。 写真:小西未来